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トライガン&デビルメイクライ&オリジナル中心で節操なく活動中。おもに落書きばっかり。最近オリジナルに傾倒気味。 ※腐要素も含んでますので要注意
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どうも。不定期出現の龍影です。
今回は某所で要望があったのでオリジナル本編の内容をちょこっとだけ掲載してみたいと思います。
オリジナル本編は小説形式なのですが、あまり積極的には公開してません。でもネットには公開してるので探せば割とすぐ見つけられるかも?
まぁ、質は全然高くないダラダラ文章なので物好きなお方はどうぞ。



とりあえず今回は過去編からブライトとオメガ(アダム)の出会いの話をば。二話構成なんですがまとめて載せますよん。




れっつほにゃにゃーん↓




【過去編・出会い】



堅牢で大型の荷車を、二頭の馬が引いている。手綱を握る二人の男はニヤニヤと下卑た笑みを浮かべて上機嫌だ。
「今回の品はきっと良い値で売れるぜ」
「そうだな兄貴、懐にガッポリだ!!」
ガラガラと馬車は街道をいささか乱暴に走って行く。すると道の中央に人影が見えた。
「オラオラどきやがれ!!ぶっ飛ばされてぇのか!?」
男が声を荒げて言うと、人影はこちらを向いて両手を広げた。どうやら止まれと言いたいらしい。仕方なく男は手綱を引いて馬車を止めた。
「いやー、悪いねお前さん方」
無造作に跳ねた黒髪と顎の無精髭で白いコートに身を包んだその男は、ニッコリと人懐こそうな笑顔を浮かべた。
「てめぇ、何の用だ!こっちは仕事中なんだよ!!」
男が苛立たしげに尋ねる。白いコートの男はニコニコしたままだ。
「そいつぁ失礼。しかしオニイサンも仕事なんだよ。お前さん方の商品とやらに用事があってね」
コートの男の視線が荷車に向けられる。
「その荷車の中の商品、捜索願い出ちゃってるんだな。オニイサンそれ持ってかないといけないのよ」
次の瞬間、馬車と荷車を繋いでいた金具がバキンと外れ、荷車の扉の鍵も弾けた。ドアが開いて中から数人の女性や子どもが這い出して来る。
「てめぇ!!何しやがる!!」
「お仕事ですともー。いけないねぇ、お前さんたちも人のモノ盗ったらダメって習ったでしょー?」
いきりたった男が腰にぶら下げていた短刀を振りかざしてコートの男に向かって走り出した。
「兄貴、ストップ!!そいつ多分「不可視の武器庫」ブライトだ!!」
弟分らしきもう一人の男が慌てて走り出した男を止めた。
「オニイサンその二つ名嫌いなんだけどなー」
コートの男はバリバリと頭を掻いて苦笑した。
「荷車がやられたのもヤツの隠し武器の何かに違いねぇ…逃げた方が良い、勝ち目ねぇよ!!」
「うるせぇ!!」
弟分の手を振りほどいた男は荷車から逃げ遅れていた子どもを引きずり出して短刀を突き付けた。
「よぉ、「不可視の武器庫」さんとやら、これでも何かできるのか?」
ニヤニヤと下卑た笑みでブライトに尋ねる。子どもは恐怖に強張り悲鳴すら上げられないようだ。ブライトの表情がにわかに険しいものになる。
「…そういう三流悪役みたいな真似、止めようや。カッコわるい、オニイサン幻滅」
その時、男の背後で動くものが見えた。白い服を纏った人物が、男によろけるように体当たりを食らわした。その隙に子どもはするりと逃げ出す。
「てめぇこの野郎…!!」
激昂した男が蹲るその人物に短刀を振りかざした。その腕に細身のナイフが突き刺さる。男が悲鳴を上げて短刀を取り落とした。ブライトは駆け寄り様に男にラリアットを食らわして沈める。弟分はすでに諦めたようで、少し離れた場所に座り込んでいた。ブライトは手早く男を縛り上げ、役人を呼ぶよう頼むと、蹲ったままの人物に歩み寄った。
「お前さんのおかげで助かったよ。大丈夫かい」
蹲っている人物がゆっくりと顔を上げ、小さく頷いた。蒼のような碧のような不思議な色合いの瞳がまっすぐにブライトを見つめていた。



「お前さん、立てるか?」
尋ねると白服の人物はヨロヨロと立ち上がった。しかしぐらりと傾いで座り込んでしまう。
「どした?もしかして怪我してるのか?」
首を横に振る人物は先程から一言も発しない。もしかしたら負傷しているのだろうかと心配になったブライトは屈み込んで様子を窺う。
「お前さん…もしかして何かされたか。変なクスリ飲まされたとか」
更に首を振る人物は、じっとブライトを見つめた。何か訴えかけるようなまなざしではあったが、ブライトには意図するものが分からなかった。
「…お前さんは依頼のリストになかった顔だ。あらかた途中でかっさらわれてきたんだろ。んー…とりあえず俺の借りてる宿に行こうか。ここで話し込むのも妙だ」
じっと見つめるだけの人物に手を差し出す。ためらうように手を見る様子に苦笑し、
「自己紹介が遅れたな。俺はブライト。ブライト=リニエンシー。なぁに、悪いようにはしないさ。オニイサン乗りかかった船からは降りないタチなのよ」
おずおずと握られた手を引いて、白服を抱き上げたブライトは、揚々と宿へ向かった。



――――――――――
「さて、と。どうしたもんかね」
ブライトは改めて白服を眺める。ベッドに腰掛けさせ、顎に手を当てて何か考え込んでいるようだ。
「まず…失礼だがお前さんは男か?」
白服は目を瞬かせ、一拍間を置いて頷いた。そうか、と呟いて男だという相手を見る。纏っている白服は、聖職者が来ているような純白のローブだ。金糸による繊細な刺繍が清らかさを強調する。肩口までと一房尻尾のように長く伸びた黒髪は漆のごとく滑らかな美しさを放つ。しかし、その純白のローブの裾は擦り切れ、点々とついている赤黒い染みはおそらく血だろう。ブライトは無精髭の生えた自分の顎を撫でつつ唸った。
「お前さん、どこかの神官かなにかかい?場所教えてくれたら、オニイサン送って行くけど…」
ローブの男は視線を逸した。ふるふると首を振って立ち上がろうとする。だが、またしても立ち上がれずに、転がるようにベッドに沈んでしまった。
「…名前ないと会話しにくいな。なぁ、話せないなら何かこう…名前がわかるモノとかないか?それか、ここに名前書いてくれ」
ブライトがメモとペンを差し出すと、華奢な手がそれを受け取り、短い文字を綴った。
「どれどれ?…ん?公用語じゃないな…オ…メ…ガ?」
確認するように見上げると、男は少し首を傾げてから頷いた。ブライトは満面の笑みを浮かべる。
「そうかそうか、お前さんオメガってのか!」
謎が解けてスッキリしたと言わんばかりの笑顔で頷いた。
「…で、だ。オメガ。お前さん見たところ、何か訳アリみたいだな。どうだ、良かったらオニイサンのとこ来ないか」
きょとんとするオメガにビシッと親指を立てる。
「大丈夫、何かの縁だ、オニイサンに任せて損はないのよ?大体、そんなろくに立てない上、話せないとなると危ないでしょー?さっきの奴等みたいなのってゴマンといるから。オニイサン心配」
な、とブライトはオメガの手を握った。
「せめて自由に歩いて話せるようになるまでくらいは任せな?」
ためらいがちにオメガが頷くと、ブライトは握った手をぶんぶん上下に振ってよろしくな!と上機嫌に言った。


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